フランス人は「マニフ」好き

鶴見図書館に行く途中、遠藤写真館の入口に置いてあった「media SPICE」というFREE Magazine を取って読んだら、これがなかなかセンスのいい雑誌だった。「神奈川発!休日を楽しむWeb フリーマガジン/メディア・スパイス」とある。初めて知った。

この雑誌に連載されている松本百合子さんという方の「闘うフランス人」というタイトルのエッセイがとてもよかったので、最近フランス人男性と結婚した十二所の新妻に「読んでご覧」と勧めた。そうしたら、彼女「私もフランス人と闘っています」だって。

このエッセイの内容は次のとおりである。
フランス人はデモが好きだ。デモはフランス語で「マニフェスタシオン」略して「マニフ」。
最近では2010年、サルコジ前大統領が退職年齢を60歳から62歳に引き上げる法案を提出した時。労働者たちは一刻も早く定年を迎えてゆっくりしたいのに余計なことをするな!といって立ち上がり、学生たちは雇用が減ったらやばい!と立ち上がった。結局サルコジ政権は法案を取り下げる。
また、オランド新大統領の公約であった「同性愛者の結婚と同性カップルの養子縁組を認める」という通称「みんなのための結婚」という法案を提出した時、反対する30万人以上の参加者のマニフが繰り広げられた。

ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の絵に描かれたフランス国旗を掲げて民衆を鼓舞するマリアンヌはフランスのシンボル。何か問題が起こると、フランス中が男女の関係なくマリアンヌと化し、理想の国づくりに参加する。「個人主義といわれるフランス人が心を一つに団結して、積極的に権力に立ち向かうこの姿には、ちょっぴりしびれる」と著者は述べているが、私も同様である。

ただし「定年延長」について、日本人は「定年延長」を求めてデモをするだろうが、フランス人は「定年延長反対」を叫んで「マニフ」をするというところが対照的だと思った。

この松本百合子さんの「一喜一憂のパリ」という連載エッセイは注目に値する。次号も必ず手に取ってみようと思った。過去のエッセイはここにあった。これもなかなかいい。

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