Lesson 5 日本人の祈り(原稿)
どの宗教も必ず祈りを持っています。祈りのない宗教はないと言っていいくらい祈りは宗教の本質に関わるものです。それぞれの宗教で少しずつ変わっていますが、共通なものもあります。それはなんでしょうか?
また日本人は無宗教の人が多いと言われています。でもその無宗教の日本人もけっこう祈ります。今日はその「日本人の祈り」について考えましょう。
作業1 祈りとはどういうイメージ? 祈りと聞いて思い起こすこと、祈りと聞いて浮かぶイメージは?
「祈り」とは何か?一言で言ってみよう。「祈り」と聞いて浮かぶイメージ、言葉は?
思いつくままにどんどんコメント欄に記入してみよう。
思い浮かばない人は、他の人の書き込みを読んで思い起こすことがないかな?
書き込みを見て感じたこと考えてことも書いてみよう。
<コメントを記入>
<グループの人のコメントを見る>
<他の人の書いたコメントを見る>
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「祈りのイメージ」の「グループ名・他の人」のコメント
<itaru> 祈りというと「手を合わす」かな? 他に座禅、お寺、神社、おさい銭
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:30」「いいね 2」
<つっちい>苦しい時の神頼み
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:35」「いいね 8」
<Erika> 教会、十字架、マリアさま、ひざまづく、ロザリオ、ミサ
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:35」「いいね 6」
<kiyoshi> 数珠(じゅず)、お経、なむあみだぶつ、なむみょうほうれんげきょう、除夜の鐘、お寺、線香、こんなところかな
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:40」「いいね 2」
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作業2 日本人はどういう時に祈るのか?
無宗教という人が圧倒的に多い日本人もよく祈ります。
どういう時に祈りますか? その時? どういう場所で?
コメント欄に思いついたことをどんどん書き込んでみてください。
書き込んだら他の人が書いたものを見てみましょう。そしてまた浮かんできたものを書き込んでも構いません。
全体を見て感じたこと考えたこと気づいたことなども書き込んでください。
<コメントを記入>
<グループの人のコメントを見る>
<他の人の書いたコメントを見る>
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「作業2 日本人はどういうときに祈るのか?」のコメント
<itaru> 初詣、除夜の鐘、七五三、結婚式、葬式、黙祷、墓参り、けっこう祈るチャンスが多いよね。
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:40」「いいね 8」
<つっちい>苦しい時の神頼み
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:50」「いいね 7」
<Erika> 観光地の寺めぐり、神社巡り、御朱印帳
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:52」「いいね 6」
<kiyoshi> つらいとき、苦しいとき、願い事があるとき、うれしいとき、お祝いの時
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:52」「いいね 2」
<つっちい>こうみると願い事があるとき、とか行事の時というのが多いよね。あ、そうそう「食前・食後の祈り」もあるし、「いただきます」とか「ごちそうさま」とかも短い祈りではないかな? 日本人ってこういう短い祈りのことはが多いのではないかな。お題目の「南無妙法蓮華経」とか念仏の「南無阿弥陀仏」もそうだよね。
「いいね」「コメント」「2020年4月11日16:53」「いいね 1」
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作業3 日本人は何を祈るのか?
日本人はどういう時に何を祈るのか?
あなたはお寺や神社に行って何を祈りますか?
神様や仏様に向かってあなたの願いはなんですか?
写真のような絵馬に何を書きますか?
思いつくままにどんどんコメント欄に記入してみよう。
思い浮かばない人は、他の人の書き込みを読んで思い起こすことがないかな?
書き込みを見て感じたこと考えてことも書いてみよう。
コメント記入欄 |
作業4 祈りの道具 祈りのスタイル お祈りグッズ
祈る時に用いる道具(祈りグッズ)がいろいろあります。
それから祈りの姿勢やスタイル、仕草もいろいろありますね。
思いつくままにどんどんコメント欄に記入してみよう。
思い浮かばない人は、他の人の書き込みを読んで思い起こすことがないかな?
書き込みを見て感じたこと考えてことも書いてみよう。
コメント記入欄 |
「日本人の祈り」について考えると「日本人の宗教心」について考えることです。「日本人の宗教心」の特徴は二つあると思いました。
一つは「神も仏もいっしょこた」つまり「神仏混淆」です。
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日本人の宗教心の特徴は「神仏混淆(しんふつこんこう)」にあると言われます。つまり日本古来の神と大陸から伝来の仏とが仲良く共存しているところにあります。歴史的にはこの考えは奈良平安の昔から日本人に受け継がれてきました。一時明治維新の時に「廃仏毀釈」の動きがあったり、本地垂迹説とか逆本地垂迹説で仏と神のどちらが本当の姿がで争いがあったこともありましたが、基本的には共存してきました。
「神仏混淆」の例を探してみましょう。結構面白いです。
例えば神宮寺とか神武寺とか神の名を持つ寺の名前があったり、よくみると寺の中に神社があったりします。
また平家物語に出てくる那須与一が沖の船の的を射る時に念ずる言葉を覚えていますか? 「無無八幡大菩薩」と念じて「よっぴいてひょうとはなつ」のですね。「無無」というのは仏教用語です。でも八幡は神道の神ですよね。源氏の守護神八幡太郎義家のことを神としたものです。「菩薩」は仏教でいう修行中の僧のことです。
こんなこともあります。平安時代、お寺を根城にしていた僧兵たちは街へ繰り出す時に神社の神輿を担いで大暴れをするということをしていたと言います。これなんかも「神仏混淆」の例ですね。
まだあります。探してみてください。
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「神も仏も一緒こた」の日本人の宗教心ですが、でもなんとなくお寺と神社の役割分業ができています。
例えば一年の終わりの「除夜の鐘」はお寺ですが、一夜あけた初詣は神社へ行くことが多いですね。もちろん初詣はお寺にも行きますが、神社の方が多いですね。
結婚式は仏式もありますが、神社であげる方が多かったです。最近はキリスト教式が断然多くなったのですが…..
でも葬式は神式もないことはないのですが、圧倒的に仏式です。
子どもが生まれた時や新築の家の上棟式は神式です。
つまり、始まりのおめでたい時は神社の神様がとり、終わりの時は仏様がとっているのですね。日本人の宗教心にはこういう分業体制がどういうわけか出来上がっていたわけです。どちらをとった方が得だったのでしょうか?
でも、そんな役割分担ももう崩れて行きつつあると言われています。お寺でも神社でも神官や僧侶のいない神社やお寺が増えているのが実情です。
それはいずれも日本人の祈りに深く関係しています。
最後に「祈りのいろいろ」を木にしてみました。宗教によっても民俗的にも祈りにはいろいろありますが、それらの共通点とは何か、考えてみてください。
いろいろな「祈り」を「系統樹」風に描いてみました。
ちょっと解説が必要な言葉があるかな。
「定型の祈り」つまり決められた言葉を唱える祈り
「念仏」称名念仏とも言います。ひたすら「南無阿弥陀仏」という仏のみ名を唱える祈り。浄土宗系の祈りです。
「唱題」日蓮宗系で「南無妙法蓮華経」という法華経というありがたい教えの題目を唱える祈り。「お題目」ともいいます。
「念仏」や「唱題」のように仏教の祈りを一言に圧縮してしまうのは「縮み志向の日本人」の得意技ですね。
「南無」というのはサンスクリット語の「ナーム」という言葉から来ていて、「帰依する」という意味です。インド人の挨拶の「ナマステ」という言葉も同じ語源からできているということですよ。
これらの作業をして、全体的に感じたこと、考えたことをこのページのコメント欄にコメントしてみましょう。
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