Freedom Writers ……Their Story, Their Words, Their Future

入院中の暇に任せてお見舞いに来てくれた友人が貸してくれたDVDを見ている。
これまでに「ホテルルワンダ」「パッション」「レミゼラブル」「ダウト」を見た。さらに今日見たのは「Freedom Writers ……Their Story, Their Words, Their Future」だった。なかなかよかった。おもしろかった。

ストーリーである。

【ストーリー】

◆銃の替わりにペンを持ったとき、未来は僕らのものになった
ロス暴動から2年後の1994年、ロサンゼルス郡ロングビーチ。

さまざまな人種が通うウィルソン高校では、登校も下校も命がけだ。カリフォルニアの青い空など、見上げている余裕はない。「ロングビーチでは肌の色がすべて。浅黒いか、黄色か、黒か。一歩外に出たら戦場なの」 学校に着いても問題は同じ。みな肌の色ごとに徒党を組み、人種間の憎しみをむき出しにする。バッグには銃かナイフ。誰もが18歳まで生きられれば、十分だと思っていた。

そんな203教室に理想に燃えた国語教師がやって来る。彼女の名はエリン・グルーウェル、23歳。弁護士になるはずが、「法廷で子供を弁護するのでは遅過ぎる。教室で子供を救うべきだ」と教師になった変り種だ。しかし、支配階級である白人の女教師など、生徒たちには別世界の住人でしかない。彼らの拒絶にショックを受けつつも、エリンは夫スコット(パトリック・デンプシー)に支えられ、詩の教材にラップを取り入れるなど努力を重ねていく。ある日の授業中、ラティーノのティコ(ガブリエル・チャヴァリア)が黒人のジャマル(ディーンス・ワイアット)を馬鹿にした絵を描いた。「こんな絵を博物館で見たことがあるわ。黒人とユダヤ人は下等だとね」 ─ エリンは、第二次大戦のホロコーストがこうした差別から生まれたことを説明する。だが、驚いたことに、生徒たちは、ホロコーストも「アンネの日記」のことも知らなかった。銃で狙われた経験はあるというのに……。教育の大切さを改めて実感したエリンは、教材として「アンネの日記」を読ませようとするが、キャンベル教科長(イメルダ・スタウントン)に予算の無駄だと拒絶されてしまう。「あの子たちに知的興味を持たせるなんて無理よ」

次の授業で203教室に配られたのは、日記帳だった。「今思うこと、未来のこと、過去のこと。何でもいいから毎日書いて。そして読んでほしいときは棚に入れて」 ─ 最初に日記を書いたのは、おとなしいブランディーだった。徐々に、生徒たちは日記帳に本音を綴るようになってくる。「16歳で葬儀屋より多くの死体を見た」「難民キャンプで父は人が変わった。母や私を傷つけるようになった」「俺のダチはストリートの兵士だ」「銃を突きつけられると体が震える」 ─ 生々しい言葉の数々。兄は服役中で、母からも見放されているマーカス。カンボジア移民のシンディ。誰もが出口のない日々を送っていた。彼らの言葉に心揺さぶられたエリンは、本を買ってあげたい、とデパートでパートを始め、さらに週末はホテルでも働き始める。

数週間後、エリンはパートで貯めたお金で生徒全員をホロコースト博物館へと連れていく。父スティーブ(スコット・グレン)も渋々ながら運転手役を務めてくれた。ホロコーストの生存者に対面した生徒たちは、生への、そして知への欲求を高めていく。「彼らのことを忘れない。すべてミスGのおかげだ」

夏休みが明け、全員がなんとか2年生に進級。目立たなかったミゲル(アントニオ・ガルシア)が、日記を朗読する。貧しいミゲル母子はアパートから追い出されていた。「家もお金もないのに、なぜ学校へ行くのか? 服もボロボロで笑われると思ったけど、クラスのみんながいると気づいた。そして、グルーウェル先生が希望を与えてくれた。ここが僕の家なんだ」 203教室がひとつになった瞬間だった。だが、エリンの熱意が高じるにつれ、キャンベル先生ら学校側との対立が深まり、スコットとも距離が生じていく。さらには、コンビニ銃撃事件で、エバが目撃者となり黒人生徒のグラントが逮捕されてしまう。だが、服役中の父親の言いつけで、エバは仲間をかばっていた。「重荷は全部私が背負うの……?」 逆風が吹く中、203教室の生徒たちとエリンは、無事卒業の日を迎えることができるのだろうか。

いかにもアメリカの教育実践の話だと思った。こういうことができたのはすばらしい。教育にはこういうことができるのだと希望を持たせてくれた。でもこれはこうやってみろといわれてもなかなかできるものではないとすぐに考えてしまうのは教員の悲しい性か。
そのなかにクラスが変わるきっかけをつくった事件があった。人種的な偏見を元に描いた似顔絵がそのきっかけになった。
そして次にラインゲーム。「この歌を知っている人はラインまで進んで」「この本を読んだことのある人」という質問から初めて、「最後は銃で狙われたことのある人」「友人が銃で殺された人」という質問までして該当する生徒はラインまで進む。みんな無言のうちにそれを進める。
その後にみんなに「日記帳」が配られた。「何でも思うこと感じることを書いて。私に読んでもらいたい人は戸棚に入れておいて。後で読むから」。この日記帳が生徒たちを変えていくのである。

日本にも「綴り方運動」や「やまびこ学園」みたいな実践があるが、これはもっとすさまじい。
書くこと、表現すること、自分の言葉で語ることって、すごい教育力を持つものだと感心した。

この話は1994年に実際に起こった事件の時に、生徒たちが書いた「Freedom Writers Diaru」が原作となってつくられた。これは教員に見てほしい映画である。

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