「奇跡の生還」の中の祈り
チリの鉱山事故のドキュメンタリー「奇跡の生還」をみた。感動的なドキュメンタリーだった。
私は最初、録画するつもりはなかったのだが、冒頭の場面で作業員が閉じ込められた中で「祈り」をしていたという紹介があり、あわてて録画スイッチを入れた。
閉じ込められた当初には作業員同士のトラブルはなかったが、食糧などの救援物資が届けられるようになって諍いが生じたというのは、象徴的である。
たとえば地上の家族とのテレビ電話で、制限時間をオーバーするものがつづき、それがトラブルになっていた。
いざこざの原因はテレビのチャンネル争いも挙げられていた。
そして、そのあと「祈り」の紹介があった。その部分の字幕をそのまま引用してみよう。
いつ救出されるか分からない不安がつのり、作業員たちをいらだたせていたとき、33人の結束を呼びかけたのが、信仰心のあついホセ・エンリーケスさんだった。1日2回祈りの時間を設けたのです。
神に栄光を神に栄光を神に栄光を。
お助けください。励ましてください。
落ち込んでいる者たちをよからぬ考えを抱いている者たちを
われわれはこれまで仲間たちと争ったこともありました。
しかしいざというときには団結してきたはずです。
悪い心はここにおいていきましょう。作業員たちはここで互いに思いやることを身につけていったといわれます。
(クラウディオ・アクーニャさん)
毎日二回のお祈りが結束を強めました。
毎日顔を合わせて結束しました。
みんながリーダーでした。みんなで一緒にやったんです。
これこそが団結だったんです。
もしも日本だったらこういうことはおきないだろう。「神に祈ろう」と呼びかけてもバカにされるだろうけれど、南米のチリのカトリック信仰のくにだったからこそ、こういうことが可能だった。
祈りのパワーを見せつけられた。祈りが人びとを救ったという非常にいい例だと思う。