ヨハン・シドッチと新井白石
今、藤沢周平著の「市塵」という小説を読んでいる。新井白石を主人公とした小説である。まだシドッティが登場するところまで読み進んでいないが、早く登場しないかと楽しみにしている。
イタリア人宣教師ジョバンニ・バプティスタ・シドッティ神父の日本潜入から、昨年で300年なんだそうである。
シドッティ神父はイタリア・シチリア島のパレルモ生まれ。フィリピンで日本語を学ぶなど準備し、日本人に変装して潜入を図った。1708年10月屋久島に上陸すたが、まもなく捕まり長崎に贈られた。翌年の年末、つまりちょうど300年前に江戸にあったキリシタン屋敷にうつされた。
儒学者の新井白石は政治改革を進めていた政治家でもあった。同神父への尋問を計4回行い、その時の様子を「西洋記聞」などに詳しく記した。
「西洋記聞」は上中下の3巻から成り、下巻でキリスト教を説明。教義や聖書の他国内外の教会史、教会の職制、プロテスタントや諸宗教についてmの触れ、当時の教皇にも言及している。
白石は一時、シドッティの本国送還も考えた。結局は切支丹屋敷に幽閉となったが、年210数両が支給される破格の待遇で、長助・はるという夫婦が世話をした。シドッティはのちに長助、はるに洗礼を授けたことが発覚し、地下牢に入れられ、1714年11月47歳でなくなった。
新井白石もおもしろいが、このイタリア人宣教師もただものではない。