赤と黒の借金と財産のゲームはおもしろそうである。
岩波科学の本の「数は生きている」銀林浩・榊忠男著を読んでいたら、もうひとつやってみたくなるおもしろい話がのっていた。
「赤と黒のゲーム」と題したトランプのゲームである。
1〜5までのトランプのカード全部とジョーカー1枚で合計21枚のカードをそろえる。
3人に7枚ずつ配る。
赤のカード(ハートとダイヤ)は財産、黒のカードは借金である。その金額はそれぞれのカードに万円をつけたものである。
たとえばハートの2は2万円の財産、クラブの3は3万円の借金である。ジョーカーは借金でも財産でもない、つまり0である。
ゲームは場場抜きと同じ要領で、まず親のカードから1枚、次のものが抜く。そのつぎのものがそこからまた1枚ぬく。
そして初めの一まわりが終わった以降ならば、カードが抜かれた瞬間だけ、その抜かれたものがストップをかけることができる。
ストップをかけられたら、自分のカードを合計して、誰が一番金持ちかを決める。
ただしストップをかけたものより金持ちがいたら、ストップをかけたものが自分のカードと最下位の者のカードと交換しなければならない。
それから逆に自分が一番貧乏だと思った時も、やはりストップをかけてよい。
そしてたしかにそうだったら、全員のカードの貸借を全部反対にする。
つまり、財産は借金に、借金は財産にするのだ。
これをやってみると、結構このゲームが、世の中の実際の取引を敷きうつしているのだそうである。
実際にやってみた所で「これは面白い」と紹介したらいいのに、やらずに「おもしろそう」というだけではずるいのかもしれないが…………。