フィボナッチ数列のトキメキ

「フィボナッチ 自然のなかに隠れた数を見つけた人」(ジョゼフ・ダグニーズ 文 ジョン・オブライエン 絵 渋谷弘子 訳)という絵本を読んだ。確かこの本は今年の「夏休み読書課題図書」に入っていたので知った絵本である。

fibonacci

中世のイタリアで子ども時代を過ごしたレオナルド・フィボナッチ(1170〜1240)は、あけてもくれても数のことばかり考えていました。そのため、他には能がない「のうなし」と呼ばれていたほどでした。
成長して世界中を旅したレオナルドは、諸国で使われていた数字、
とくにアフリカでであったインド・アラビア数字に魅せられやがて自然界にある多くのものが、ある決まった数でできていることに気づきます。かつて「のうなし」とからかわれていた少年が、フィボナッチ数列と呼ばれることになる数列を発見した瞬間です。
うさぎの繁殖に関する簡単な文章問題で現在その名を知られるフィボナッチは、今では史上もっとも優れた西洋の数学者の一人に数えられています。本書はけっして「のうなし」ではなかった一人の人物の物語です。

フィボナッチ数列とはこういう数列である。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377……………
つまり前の二つの数の合計が次の数になるような数列のことです。

この数列の面白さを教えてくれたのは、いまから40年まえに、わたしの家で3組の夫婦があつまってビールを飲みながら薀蓄を披瀝しあう「考現学セミナー」をおこなっていたときに、大学の数学科を卒業したメンバーの一人であった。
この数列が黄金比と関係するということを難しい数式をもちいて説明してくれた。その数式はわからなかったが、この数列の面白さは十分に理解できた。

この絵本ではフィボナッチが出題した問題を紹介している。

赤ちゃんうさぎを2羽、野原にはなした男がいる。
うさぎが成長して、あかちゃんうさぎを産めるようになるには一カ月かかる。そのうさぎがオスとメス1組の赤ちゃんうさぎを産むにはさらに1カ月かかる。
毎月1組の大人のうさぎがあらたに産む赤ちゃんうさぎは1組とする。
1年後にこのおとこはうさぎを何組手にしているでしょうか?

まず1回目にいるうさぎは、赤ちゃんうさぎが1組。
1カ月後には、赤ちゃんうさぎを産めるほどに成長したうさぎが1匹。
2カ月後に、大人のうさぎが1組と赤ちゃんうさぎが1組。あわせて2組。
3カ月後に、大人のうさぎが2組と赤ちゃんうさぎが1組。あわせて3組。
4カ月後に、大人のうさぎが3組と赤ちゃんうさぎが2組。 あわせて5組。
5カ月後に、大人のうさぎが4組と赤ちゃんうさぎが3組。 あわせて7組。

つまりこの数列は、生命の成長や繁殖に関係するというわけです。だから巻き貝の成長や植物の花びらの数にこの数列が隠されている、いわば生物が秩序と調和をたもって生長するための設計図のようなものと言えましょう.
そしてその数列が黄金比と関係するというところもとても面白いことです。

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