パストラル・ダ・クリアンサとアルンス女史
2月5日の朝日新聞に「ブラジルのマザー・テレサ アルンスさん 乳幼児支援の矢先 震災死。ハイチ初訪問、教会崩壊」という記事があった。
「彼女はブラジルのボランティア団体『パストラル・ダ・クリアンサ』を設立した。」という記事を読んで、この名前に心当たりがあったことを思い出した。
去年の10月タイのチェンマイで開かれた SIGNIS World の世界大会で講演をした女性は、「パストラル・ダ・クリアンサ」の代表を名乗っていたからである。
さっそく SIGNIS World の世界大会プログラムを引っ張り出して見てみた。たしかに「Human Rights -Children’s Rights」というテーマの講演をしていた彼女の名前は Dr.Zilta Arns Neumann とあった。この朝日新聞の記事の人物である。彼女がハイチの地震でなくなったんだ。衝撃が走った。
アルンスさんは、劣悪な衛生状態の中で下痢によって脱水状態で死んでいく乳幼児の命を救う活動を、スラム街や貧しい農村で広げていった。現在この団体はブラジル国内4000の自治体で活動。国外でも中南米、アジア、アフリカの19カ国で活動する。ノーベル平和賞の候補として3度名前が挙がったという。
新聞の記事にはこう書かれていた。「彼女はこういう人物だったんだ。SIGNIS はそういう人物を招いていたんだ。」あらためて SIGNIS World の存在を見直したとともに、アルンスさんの死がとても身近な物となって迫ってきたのである。
あらためて追悼の意を表したい。