セードゥリウス・スコット作「復活祭の歌」
朝日新聞の4月23日 be on Saturday の高橋睦郎「花をひろう」という記事のなかで「復活祭の歌」が紹介されていた。中世イタリアのセードゥリウス・スコット作呉茂一訳である。
復活祭の歌
きのふの夜、まことの太陽、クリストスは蘇られた。
そこからまた蘇ったのは、主の畠の不可思議な穫入れ。
いまや野を一面に、真紅の花の間を蜜蜂の群が、
唸りをあげ飛び交しては、楽しい仕事に蜜を集める。
一方、いろんな鳥どもは、今しも空を、歌ごゑをもて
和ますと、一夜さ中、いま鶯は曲(ふし)をしらべる。
今しも、御堂(みどう)のなかでは、歌団(うたむら)が、
声を合わせてシオンを頌へ(たたえ)、
アレルイアと千度も、調子を取って歌ひあげる。
タドゥーさま、教会の父よ、復活祭の悦びをなにとぞお受けを、
当然のほまれとして、この光明の閾(しきい)に立って、ご機嫌よく。歌のなかの「真紅の花」はアネモネか? アネモネはギリシャ神話ではアドニスの生まれ変わり「タドゥーは当時のミラノの僧正」と訳者の注にある。
降誕祭が12月25日と決まっているのにたいし、復活祭は春分の日以降の最初の満月の日の次の日曜日ときめられた移動祝祭日で、現行の暦では3月22日から4月25日までの幅がある。今年は4月24日。
今年は2番目に遅いイースターとなった。例年だと四旬節があけてイースターになると教会の中庭にござをひいてお花見をしていたのだが、ことしはそれができなかった。
一週間遅れで、イースターおめでとう。