「ないものねだり」より「あるものさがし」
わたしは毎年1月1日には手にはいるだけの新聞を買って、正月休み中に読むことにしている。まだ全部読み終わったわけではないが、どの新聞にも多い記事は「地方の町おこし」関係の記事であるように思えた。
1月4日の朝日新聞の「日本前へ」というシリーズ記事に「あるがままの島の魅力」として長崎県小値賀島のことが書かれていた。この島のことは他の新聞でも読んだ記憶がある。
この島では2007年、漁業や農業を体験しながら民家に宿泊する「民泊」を地域振興の柱にしようと町とNPOが手を組んだ。この新しい挑戦に若者が集まりだし、活況を呈してきたという試みが紹介されていた。
この記事の中にこんなコメントがあった。
地元学という新しい学問を提唱する民俗研究家の結城登美雄さんは「これまで地方は『ないものねだり』をしてきた」と言う。道路がほしい、橋がほしい………。だが残ったのは財政赤字と疲弊した地方だった。これからは『あるもの探し』」。地元にある歴史、文化という「資源」を見つけ出す努力をすべきだという。
都市も地方も先行きが見通せない。だが「なにか新しいものを」と焦燥に駆られるより、足元を見つめる勇気が再生の道をたぐり寄せる。
本当だと思う。探せばいくつも見つかるはずである。
きっと私はそういうのが得意ではないかとひそかに思っていたりする。このブログを読んでおられる方には、それがおもいあがりでないことをおわかりいただけるのではないか。