社会起業(アントレプレナー)という生き方

「社会起業」という生き方に注目している。
そこで「社会起業家 −社会責任ビジネスの新しい潮流」(斎藤槙著 岩波新書900)という新書を図書館で借りてきて読んだ。先ずこの本の紹介から。

単に収入を得る手段としてだけでなく、自己実現のために、そして環境・人権などの課題に使命感をもつ__このような価値観をもって働く社会起業家がいま注目されている。社会責任投資の高まり、企業とNPOのパートナーシップといった新しい動向を明らかにしながら、アメリカ、日本の社会起業家の生き方を紹介し、その意義を考える。

「社会起業」という店で注目しているのは、たとえばこういうことである。
 一つは「BigIssue(ビッグイシュー)」という雑誌を発行してホームレスの人びとを支援している活動である。ホームレスを支援するというのを彼らに仕事をつくりだすことを通じて企業化した。ボランティア活動としてではなく、企業として行うことがすごいのである。
 もう一つはアメリカの「TFA(Teach For America」という社会起業は貧困家庭の子どもたちに教師を派遣して教育を支援するという活動だが、これがアメリカの大学生の就職先として一位なのだそうである。この背景についてはまたあらためて調べてみたい。
 他にもあのユヌス氏がはじめたグラミン銀行もこの代表であるだろう。
 こういうことを企業活動として行っていき、そしてそれを受け継ごうとする若者が多数存在することに大いなる希望を抱くのである。

ここで働く人の意識の特徴をこの書は次のように述べている。
 
 

第一に働くことを自己実現の場であると考えていること。自分に与えられている人生を価値あるものにしたいと考えている人たちである。「人生の意義」を土台に据えて、その上にさまざまな価値観を築き上げ、その実現に向けて、積極的で主体的な生き方をして行こうとする。少し大げさにいうと、「いったいなんのために生きているのか」と自分の存在を見つめ直し、その問いに対する答えとして事業を起こしているのだ。
 二つ目は、社会や環境や人権など地球規模の課題や地域社会が抱える課題に対して使命感を持って挑み、事業を行っている点だ。事業の形態は、営利企業のこともあれば、NPOのこともある。しかし、いずれにしても、社会起業家は「社会をよくする」という目標に忠実に行動する。

社会起業家の特徴
1.地域コミュニティや世界のニーズに応える社会的使命感を根底に抱きながらも、事業を実践する過程では、巧みにビジネス・テクニックを応用する。
2.資本力は弱いながらも、時代を鋭く捉えたアイディアや創造性に溢れた組織をつくる。
3.パートナーシップを重視する。縦割り型組織ではなく、同じ価値観を共有する組織と有機的に結びつき、相乗効果を考えながら、目的を達成するためのネットワークを実現していく。
4.労働を収入の手段としてだけではなく、自己実現の手段でもあると考える。
5.事業の所在地の地元住民から遠く離れた発展途上国の国民までを、利害関係者(ステークホルダー)と見なし、彼らの価値観に根ざした商品やサービスを提供する。
6.長期的な効果を重要視する。たとえ短期的な利益を犠牲にすることがあっても、長期的な恩恵を選ぶことで最終的にはステークホルダーの満足が得られると確信している。

さらに、この書の終わりにこんなことも書かれていた。

社会起業家から教わった生き方、働き方の極意
1.自分の好きなこと、楽しいことに夢中になろう
2.いろいろな人と喜びや悩みやゆめを分かち合おう
3.効率を優先させない。何が大切かを見極める
4.かわいいこには旅をさせろ。かわいい子だけではなく自分がかわいいと思う大人も旅に出よう。きっと名案が浮かぶだろう。
5.おかげさまの気持ちを忘れずにいよう
6.諦めるから失敗する。成功するまでがんばろう。
7.人と競争するのではなく協奏しよう。
8.人生に無駄はない。一見マイナスなことでもそこから何かが見えてくる。
9.人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にしよう。
10.たまには自分を褒めよう。

たしかにひとつの「ステキな生き方」であると思う。

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