ヒマラヤスギの球果と雄花

十二所の修道院には、たくさんのヒマラヤスギが植えてある。先週の台風15号の強風のためにヒマラヤスギが根っこから倒れてしまい、よく見るとそこに大きな球果ができていた。さらによくみると、別な木にはそのミニチュア版のような形の蕾があった。この蕾と球果とそして薔薇の花のような形をした松ぼっくりとの関係はどうなっているのか、興味があったので調べてみた。

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ヒマラヤスギは、ヒマラヤ原産で日本では栽培種。マツ科ヒマラヤスギ属の常緑針葉樹です。名前に「スギ」とつきますし、別名は「ヒマラヤシーダー」ですけど、スギではなくマツの仲間です。

明治初期に日本へ導入され、庭園木、街路樹などに利用されています。原産地では、材として建築・土木・家具に広く使われているそうです。成長すると、高さ20〜30メートルの高木になります。

樹形はキレイな円錐形です。世界三大庭園樹の一つと言われます。
ところでこの世界三大庭園樹とはなにか? ヒマラヤスギ、コウヤマキ、そして南洋杉(アローカリア)だそうです。南洋杉は日本では見られない木ですが、コウヤマキは日本固有の木です。大木になる割には成長が遅い木で手がかからないところが庭園樹として好まれているとか。

ヒマラヤスギは、成長すると高さ20-30mの高木になります。樹形は円錐形。根は比較的浅く、樹が大きくなると台風などで倒れ易いです。球果(松ぼっくり)は大きく、縦10cm、横8cmほどの大きさになります。

雌雄同株、雌雄異花。
花は10〜11月に開花します。雄花は円錐形で、長さは約3cm、初めは淡緑色、後に熟すと茶色くキツネの尾のようになります。花の後は大量に樹下に落ち目立ちます。花粉を大量にばらまく風媒花であり、秋の花粉症の原因にもなります。

ヒマラヤスギの雌花。日本中に数多くあるヒマラヤスギですが、雌花は小さくて高いところに上向きにつくので観察が困難とされています。

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球果は直立し、翌年の10〜11月に熟します。長さは6〜13cm。
マツの仲間(スギではない)の球果の成熟期間は、
・春〜秋の半年で熟すもの(モミ、シラビソ)
・秋〜秋の1年〜数年で熟すもの(ヒマラヤスギ)
・春〜翌年の秋の1年半で熟すもの(アカマツ、クロマツ)
などがあります。
いずれも松ぼっくりになるまでに、半年から1年半をかけているわけです。

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球果が1年ほどかけて熟すと、コーン状になっていき、上の方が脱落して、さらに鱗片もはがれおちます。
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樹上にはコーンの中心にあった軸だけが残ります。
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脱落した上の方の部分は、“木彫りのバラ”、「シダーローズ」という名前で、ドライフラワーとして販売されています。
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なるほどなるほど、これでようやく相互の関係が分かりました。
調べてみるといろいろな発見がありますね。

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