「アインシュタインやスティーブ・ジョブズを育てる社会を目指して」にいきました。

 12月7日「アインシュタインやスティーブ・ジョブズを育てる社会を目指して」というタイトルの講演会を聞きに日比谷図書館にいってきました。
 これは「世界連邦21世紀フォーラム」とかが主催するピースビレッジのワークショップで第19回のワークショップなんだそうです。私はこの組織には関係ないのですが、FACEBOOK で回ってきた案内に誘われて、ちょうど養成塾にいく前にぴったり入ったので出かけることにしました。
 参加者は20人くらいのこじんまりした集まりでしたが、中身はなかなか面白かったです。
この講演のタイトルにも引かれました。発達障害時の話であることは講師の肩書きを見てすぐにわかったのですが、このタイトルがいいですね。これも行ってみようとする気にさせたひとつの要因でした。
 講師は小田知宏氏。(NPO法人発達わんぱく会理事長)若い人でした。参加者はみな若くて、私が一番年配だったかな。

 講演の内容は、発達障害とは何かということとこの「わんぱく塾」の事業内容の紹介でした。講演の中ではアインシュタインもジョブズも坂本龍馬もエジソンも発達障害児であったことが紹介されました。その障害児がまわりの世界に受け入れられて育ってああいうユニークで創造的なことができるようになったのだという説明がありました。もしもそのときに受け入れられずに拒否されたらあのようには育たなかったはずです。出来るだけ早期に障害があることを発見し、そういう育て方をしないといけないといわれたことが心に残りました。
 そのあと、小グループに分かれて講演を聴いて感じたこと考えたことを分かち合いました。そのグループの中で私は「そもそもこれは『障害』なのだろうか? むしろ「発達凸凹(「でこぼこ」あるいは「おうとつ」」といった方がいいのではないか。だれもが発達上では凸凹を持っていて、そのなかで大きく欠けているところや突出しているところを持つことが「障害」なのであろうか?」という疑問を呈しました。
 小田さんは、この活動はやはり行政からの補助金で支えられているところが多いので、「障害」という名前を使わないと補助金がもらえないのだといわれていました。彼自身も「わんぱく塾」を名乗っていて、このことばはできるだけ使いたくないと言われていました。
 たとえば視覚障害者はそのハンディを乗り超えるために点字を学ぶ。点字は指先の部分に研ぎすまされた鋭敏な触覚を必要とする。その鋭敏な触覚もあるいは白杖を使って街を歩いていく人の空間認知能力ならびに記憶力は、とても障害のない人たちには考えられないくらいの能力をもちます。聴覚障害者が唇の動きでことばを理解するのもその特別な能力でしょう。プロ野球の投手が口をグローブで隠しながら話すのは唇を読まれないようにするための方策であるということを聞いたことがあります。
 つまり、ハンディを持つと、それを乗り越えるあるいは補うために障害のない人にはとても考えられない別な能力を発達させることがあります。この「発達障害」にもそれは当てはまるのだろうかと問いかけてみました。
 小田さんの答えですが、発達障害児は多くの場合、感覚過敏とか、なにかへのこだわりの強さ、異常な程の集中力の持続などの特徴を持つそうです。何かのハンディを補うというよりもこういううまれつき持った資質のなかに特別な能力が隠されていると言った方がいいだろうということでした。
 小田さんが今試みられていることは、できるだけ早期に「発達障害」を発見し、それを大切にしながら育てていくにはどうしたらいいかということで、乳幼児期に焦点を当てて、子どもたちのことばとこころの保育を行えるスタッフと施設を充実していくことであるようです。ここに映像がありました。

 11月4日に「栄光カトリック同窓会」で高校の同期の塩谷英策さんの「発達障害」の話を聞くチャンスがありました。かれは10年以上前から葉山町で「ひとりを大切にする」耕心塾学習教室・教育相談室を開設していてそれをやり続けてきたことには頭が下がる思いです。
 講師の小田さんにこのことをご存知ですかと聞くと残念ながら知らないと言われました。耕心塾はむしろ小学生の子どもに、画一的一斉指導を廃し、生育歴、現在の状態像、各種学力・性格・心理検査等をもとに、個人の目的に応じた教育指導計画をつくり、個人指導・個別指導をするということをあげているので、発達障害をもった乳幼児に特化した形での保育とは少し趣旨が異なるようです。

 小田さんのわんぱく塾では、小学校に入学するとわんぱく塾は卒業ということになり、まだ開設後間もないので、その子たちが卒業後どのように育っていくかについてのデータはまだないようです。
 耕心塾の卒業生には、その持っているユニークな能力を生かして仕事に就いているひともいるということです。
 結局、この子はこういう力は持っていないけれど、そのかわりこういう特別な能力を持っていて、そこをこう指導したらこういうふうにのびていったという教育事例を蓄積することがとても大事なようです。そういう中から、アインシュタインやジョブズのようなユニークな人材が育つと思うのです。
 これからもこの活動を見守り、応援し続けたいと思いました。

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