マイナスの感情をプラス感情にしていくいくつかのこつ −「生きがい療法でガンに克つ」より−

マイナスの感情をプラス感情にしていくいくつかのこつがある。感情というのは人間の心の自然現象で、それには意思の自由がない、つまり自分の意思でコントロールすることは難しい。気分が沈むのは自然の現象である。
一番よい方法は、その感情をなくそうとか押さえ込もうとかいう無駄な努力はやめて、悲しみの感情はそのままにしておく。そして今必要な行動に取り組む。そうするとだんだんに心が物事の方に向いていくという心理的特徴がみられる。
二番目は、感情は環境の変化と行動にともなって速やかに変化するということ。すなわち行動には意思の自由があるので、感情そのものを自分の意思で変えることはできなくとも、身の回りのことに手をつけ行動に移すことによって、感情を前向きにするすることができる。気分がすぐれないから何もしない、よくなったらしようというのは気分に支配されていることである。それに支配されることなく、気分はそのままにしておいて、自分の意思で行動する。
三番目は、プラスの行動をとると心も前向きになってくる。プラスの行動とは自分が生きていくのに必要な物事、目的に取り組んでいくこと、今を楽しめることをしていくこと。そうするとだんだん生きていく喜びや自信、勇気が湧いてくるものである。
四番目は、プラスの行動を繰り返していくと、そのままにしておいたマイナスの感情よりもプラスの感情がおおきくなり、それをくりかえすことによって、気持ちがよくなったり、手応えを感じたりするようになる。その結果そのようなプラスの行動を中心にして、心を前向きにする能力が継続していく。
「生きがい療法でガンに克つ」 伊丹仁朗著 講談社刊

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