Man for Others
「Man for Others」これはイエズス会学校のスローガンだ。でもわたしが在学中にはこのスローガンはなかった。
このスローガンを作ったのはイエズス会のペトロ・アルペ総長だったという。あの時代にイエズス会はそれまでの「エリート教育」路線を捨て、「Man for Others」とか「Option for the Poor」とかいうスローガンを叫ぶようになり、大きな転換を遂げた。1970年代半ばのことである。
その路線を支持して、大木神父さんはネパールへ、薄田神父は釜ヶ崎へ、教育現場から離れていった。
あのころ、栄光学園の創始者のフォス校長は浜尾司教や相馬司教と激しい言い争いをしたと、同席してオロオロしてた森司教がその様子を伝えてくれた。
ところでこのスローガンは横浜のフェリス学園の創立以来のスローガンだったという。フェリスのそれは「For Others」だけだったいうが。キリスト教学校の共通のスローガンになるであろう。
このスローガンについて、栄光学園の元教諭の山本洋三氏がこんなことを書いていたので、紹介したい。
どんなに状況が最悪で、不幸のどん底にいても、もし誰かが助けを求めてきたなら、そのことがどれだけ大きな救いとなることだろう。こんなに不幸な自分でも、誰かの役にたてると思っただけで胸がほんのりあたたかくなる。そして、自分の不幸などどうでもいいことのように思えてくるに違いない。
http://www.venus.dti.ne.jp/~yoz/essay/essay100.yz.84.html
ぼくらが味わうことのできる究極の幸福とは、たぶん、自分の幸福などどうでもいいと思えることだ。「Man for others」とはこの真理をあらわす究極の逆説なのである。
そうそうこのセンスなんだと思った。これこそ「究極の Man for Others」なのだとおもった。
それにしても、山本洋三氏は1000編のエッセー集を自費出版していて、自分のブログでも紹介しているのはすごいと敬服している。
じつに「軽妙洒脱」なのである。
最近かれは facebook のなかで内容別に分類したものを発表している。一読をお勧めしたい。