情報化が教会にもたらす危機 Church’s Crisis by Information Technology

IC2012の基調講演の中で、ライス神父(パウロ会)は、急速なる情報化の進展についていけない教会の危機を次のように指摘していました。

その「危機(crisis)」とは次のような性質を持っています。

Boiled Frog Problem
「Boiled Frog Problem」とは「カエルは熱湯に入れられるとすぐに死んでしまうが、水から徐々に温めていくといい気持ちになってでもそのまま茹で上がって料理になってしまう」ということを言います。「真綿で首を締める」みたいなことをいうのでしょう。
The far horizon problem
これはまだまだ遠くの世界で起こっていることで自分には関係ないと思っていることでしょう。
The Pace of change Problem
一方でこれは変化が速すぎてとてもついていけない問題ということです。

そもそも最大の危機は
Are we in crisis?
つまり、その危機に気づいていないことにあると言えるでしょう。

その「危機」とは次のように表現していました。

●Sexual abuse Crisis 性的濫用の危機?
  Loss of trust
  Loss of credibility
  Loss of resources bankruptcy 資源の破産状態?
●Vocational Crisis 使命感の危機
  precipitous drop in numbers of priest and religious
  Inability in stuff schools,parishner,hospital
  教会や学校や施設で働く司祭や修道者がこれについていけない
●Catechesical crisis 教えを伝えていく上での危機
  We have largely failed to pass on our faith
  Faith seems irrelevant
  Faith seems shallow
  信仰が浅く、現実離れしていく
●Attrition crisis 衰退の危機
  not became angry but became boring
  怒るのではなく退屈になる
●Leadership crisis リーダーシップの効き
  Shifting roles for bishops,clergy,laity
  司教、司祭、信徒の役割の変化
●Disunity crisis バラバラの危機
  We are no longer one church?
  Who’s really Catholic?
  Ideology has replaced mission
  もはや一つの教会とは言い難い。誰がほんもののカトリックなのか?
●Victimology crisis 迫害と殉教の危機
  We are under attack by the media, the liberals, the government
  メディアや自由主義者や政府からの迫害を受けている?
●Resources management crisis 資源管理危機?
  Consolidation,redistribution
  Empty urban churches
  Encumbered by useless facilities
  意味のない道具で足手まといになっている

雰囲気がわかるでしょうか。ライス神父の話はとてもユーモラスで笑に満ちていました。
そのユーモアの意味はなかなかわからずに、疎外感に襲われるのですが、その雰囲気はわかるような気がします。
ただし、この話は次のように終わりました。

Even if true,so what?
Diminishes our responsibility

もしそれが本当だとしても、それがどうなんだ。
そういう問いに答えるかのごとく、かれはこう言って、話を明日につなぎました。

Crisis = danger plus opportunity
Why do we see only danger.

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