映画「プリズンサークル」は日本版の「ライファーズ」
先週横浜の「ジャックエンドベティ」で「プリズンサークル」を見ました。「これはすごい! 日本でこんなことをよくできたものだ」と感動しました。ぜひおおくの人にみてもらいたいです。
わたしが代表をつとめているSIGNIS Japan は毎年カトリック映画賞をさだめて授賞式と上映会を行っていますが、その2004年度 第29回 カトリック映画賞受賞作品が「ライファーズ ー終身刑を超えて」(坂上香監督)でした。この作品はアメリカの刑務所で行われている終身刑受刑囚のAMITYという更正運動を取材したドキュメンタリー映画でした。
わたしがSIGNIS Japan に関わりだしたのは17年前の2003年からですが、その後17回カトリック映画賞の選定に関わってきました。そのなかでもっともよかったのはこの「ライファーズ」だと思います。
坂上監督がアメリカまでいって刑務所の無期懲役者(ライファーズ)を取材するのですから、すごいとおもいました。その映像はとても迫力がありました。
でももっとすごいのは坂上監督が日本の刑務所でその更正運動をはじめてしまうところなのです。「取材許可を得るのに6年、取材に2年」かけてやっとここまでこぎつけたのだそうです。
映画自身は同じ囚人服をきて顔をぼかした受刑者たちが自分の過去についてかたる場面が多く、単調で眠くなりそうな場面もあるのですが、受刑者がよくここまでわかちあえるようになることがとても感動的なのです。
それを語っているのはとても犯罪をおかしたひとには思えませんでした。言葉づかいも正しくいっていることもとてもしっかりしているのです。
このTC(Therapy Community 治療共同体) の分かち合いはここまでみごとにひとを救えるのだと思いました。
TC が人を救うのはたとえば AA(Alcoholic Anonymous) やDARK(Drug Addiction Rehabilitation Center 薬物依存者の更正運動) あるいは「べてるの家」などの実践でみられるものですが、ここにもおなじ救いがあります
この救いがもっている「他人を救うこと二よってはじめて自分も救われる」という原理は私には「究極の福音」だと思います。
ついでに宣伝です。日本カトリック教育学会が監修した「福音み~つけた! -「宗教」「倫理」をまなぶために-」には「ライファーズ」{AA」「べてるの家」の紹介が掲載されています。
こちらもお読みいただき、手元においておかれると、きっとお役にたつであろうことを確信しています。