「え〜!?」です、これは。大発見、もうひとつの「世界一間違えやすい計算」
毎日新聞の今日(1月11日)の「水説」(潮田道夫氏担当:この人の「論説」はいつも楽しみにして読んでいる)にこんなことが紹介されていた。
ともかく、これはすごい! 正月一の発見である。カーネマンさん、そして潮田さん、ありがとう。
「バットとボールがある。あわせて1ドル10セント。バットはボールよりも1ドル高い。ボールはいくらでしょう?」
実際に考えてほしい。さあ、答えはいくらだろう?
「10セント」そう答えた人は間違いである。正解は5セント。バットは1ドル5セントということになる。
ま、間違ってもそう悲観しなくていい。ハーバードやプリンストンなどの米国の一流大学生もトリックに簡単にひっかかって50%以上が間違えるらしい。
前に「世界一間違えやすい問題」というのを紹介したことがあるが、これもそれに加えてもいい。
これはこれが「世界一のまちがえやすい問題」と知っていてもひっかかるひとはひっかかる。
私もまんまとトリックにひっかかり、実際に次の連立方程式を解くまでそれが間違えであることが分からなかった。
X + Y = 1.1
X ー Y = 1.0
どうして間違えてしまったのか。自分の思考過程をふり返ったらいい。
「水説」をもうすこし引用しよう。
このエピソードの出所は WIRED という科学ニュースサイト。ノーベル物理学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授の紹介記事だ。
バットとボールの問題も(なんなら2元連立方程式を作って)ちゃんと考えれば間違えないのに「高速思考」に頼って「知的近道」をするものだからしくじってしまう。われわれは自分が思うほどに論理的な存在ではない。実際は「直感」にたよって大事な決定をしている。
本当は「低速思考」でじっくり考えればいいのだが、脳も効率を優先する。「直感》や「経験知」で近道ができるから「高速思考」に委ねてしまうのである。
このカーネマン教授が昨年11月に出版された「高速思考、低速思考」という本はなかなか面白そうである。まだ日本語にはなってないかもしれない。