消えた妖精
こういうのは「おもちゃ」と言えるのかどうか分からないが、これは傑作である。「遊びの博物誌」の新聞記事で始めて知ったものである。
題して「消えた妖精」。このレプリコンは昔モントリオールでオリンピックが開かれた時のマスコット・キャラクタであったとか。
上段には、レプリコンが15人いるが、まず上と下で横に線のところで切り、次に上の部分を線のところでタテに切って、左右を入れ替える。すると下段のようになる。
ところがレプリコンは「あ~ら、不思議、なんと!」14人になってしまったのである。
ちょっと「狐に鼻をつままれたような」不思議さを覚える。どこへ行ってしまったのだ?
誰が考え出したのか、パズルの「スグレモノ」である。
これの説明として、このような例を出す。同じ幅の同じ長さの短冊を等間隔で図のように少しずつずらして並べて、台紙にはる。
次に、線のところで横に切り、それを横に一つずらすと、短冊の数が一つ増えたり、減ったりする。
このように並んでいるならわかりやすいが、これを並べ替えるときわめて不思議なことになるのである。
これを考えだした人も賢いが、もっと賢い人がいる。これをお札でやったらどうなるのか、ちょっとずつ短いお札をつくって、1枚増やすことができるのではないか?
これは、通貨の偽造ではない「変造」になる。もちろん重い罪である。自動販売機もこの種の通貨の変造には対処しているはずだが、実際にはやってみる勇気はないので、やっていない。
今度実際より長いお札をつくって試してみるか? 自動販売機がどう反応するのか、興味がある実験である。
このプリントは私が1987年に作製したプリントである。この頃は手書きであった。これは40字×40字の原稿用紙に鉛筆で書き込んだ。この原稿用紙は私が印刷所に勤めていた時に写真植字で版下を作り、それを浅黄色で印刷した自家製の原稿用紙である。これはコピーすると原稿用紙の枠が消えてしまうというこれまたスグレモノであった。