Lesson 4  瞑想と祈り

「福音」についての話を前回いたしました。
今回は「瞑想と祈り」です。
私の授業はいつも「瞑想」から入ります。最初は今でいう「マインドフルネス風の瞑想」から入ります。それに慣れたらそれを少しずつ「祈り」へと近づけていきます。

ノーマン・ロックウェル「食前の祈り」

まず。実際にやってみることにしましょう。
瞑想のきほんのページへ

瞑想の時に人の脳波がどうなっているかについてお話ししましょう。
結論から言うと瞑想の時に流れる脳は「アルファ波」なのです。
アルファ波は瞑想以外にどんな時に流れるのか、それを述べたプリントがあります。
「アルファ波が流れる時」のページへ

瞑想とはリラックスしながら集中している relax and concentration の状態なのです。集中するときは人は緊張しますが、アルファ波はリラックスしている時に流れます。

瞑想のテーマ
瞑想をする時にテーマを設定して簡単な水先案内をするといいでしょう。
「瞑想のテーマ」のページへ

1.意識の訓練 awareness exercise
① 音に意識を集中する
② 体の各部に意識を当てる 足、頭、手、指、内臓……..
③ 体が何かと触れ合っている感触を意識する おしりと椅子、足の裏と「靴下、靴、そして床の硬さ、メガネと鼻、上唇と下唇、手を置いている足……
④ 息を吸うときの空気の冷たさ、匂い
⑤ 外から見た自分の姿を思い描く
⑥ 目を瞑ったまま今いる部屋の様子を思い浮かべる
⑦ 今の自分の気持ち(feeling)を意識してみる。楽しみにしていること、気になっていること、イライラしていること…….
⑧ 数息観 呼吸を数する。1から3まで数えながら息を吸い、4、5と息を止め、6、7、8、9、10と息を吐く。
⑨ 数息観 1で息を吸い、2で息を吐き、3で息を吸い、4で息を吐き……7で息を吐き、6に戻って息をすい、5で息を吐き….1で息を吐き、2で息を吸い….ように数を上がり下がりしながら息を数える。

2.回想とフィーリング
回想の場面で効果的なのは次のような説明をするといい。目を瞑ったまぶたの裏にスライドのスクリーンを想定し、そこに回想の場面をスライドで映し出す。一呼吸で1シーン、スライドをカチャッカチャッと変えていくように想像する場面を変えていく。
① 今日1日を振り返る。今から1時間前、その1時間前と1時間おきにそのときの自分の姿と気持ちを思い起こす。
② 今日出会った人を思い出す。朝起きてから、今に至まで。電車でとなりにすわったひと、道ですれ違った人などを思い起こせるなラバ思い起こしてみよう。
③ その直前の食事で食べたものの味を思い起こして味わいなおす。
④ 最近感動したことを思い起こす。
⑤ 最近無性に腹が立ったことを思い起こす。
⑥ 今楽しみにしていること
⑦ 今感謝したいこと、ありがとうってお礼を言いたいこと
⑧ 今申し訳ないと思うこと、謝りたいこと、許してもらいたいこと
⑨ 今お願いしたいこと、のぞむことを意識する。
⑩ 美しいものを10思い描く 花、空、海、夕焼け、笑顔…….
11 前回の授業の様子やそこで学んだことを思い起こす。

3.ファンタジー、想像の世界に入り込む
① 穏やかな光景の中を散歩してみる。森の中、海辺、高原、山の頂….
② 5年後の自分、10年後の自分を描いてみる。
③ 空を飛ぶ鳥になって下界を眺める
④ 自分の夢や望みが実現した世界を想像する
⑤ 過去の自分が最も生き生きしていた時を思い起こしてその世界に戻ってみる。
⑥ 今、会いたい人を目の前に呼び出して、その人に話しかける。聞いてもらいたいこと、あるいはその人に尋ねたいことなどを対話する
⑦ 聖書の場面を想像し、その中に入り込み、登場人物になって気持ちを味わう。
⑧ 神さまやイエス、マリアを呼び起こして、言いたいこと、聞きたいことを対話する

瞑想から祈りへ
最初の方はマインドフルネス風の瞑想ですが、だんだんと祈りに近くなっていくのがわかるでしょうか。3ー⑦はまるきり聖書の黙想であるし、3ー⑧はもうキリスト教の祈りそのものであるでしょう。
昔、公教要理で祈りには「賛美、祈願、痛悔、感謝」の4つの要素が必要というのを学んだことを思い出します。これも2ー⑦⑧⑨⑩あたりをおさえておけばいいことになります。
さらに例えば「今日出会った人」を思い起こした時には、瞑想の最後に「今日出会った人たちにとって幸せな1日となりますように」という祈願の要素を加えていくことも祈りへと近づくことになるだと思います。

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