認知症傾聴講座を受講しました

川崎武蔵小杉の生涯教育プラザで行われた「認知症傾聴講座」全8回を受講しました。なかなかおもしろかったです。
傾聴は需要と共感、
前半は認知症についての医療と看護の知識を教わりました。その中で「100歳の美しい脳」という修道女の脳を研究した本が紹介されました。これについては前回報告しました。
後半はファミリーホールディング協会の山田豊氏の指導による傾聴のロールプレイングが行われました。これがおもしろかったんですね。

たとえばものとられ妄想、嫁がお財布を盗んだと言い張る姑をどう傾聴するか、嫁役と聞き手と観察者の3人でロールプレイをしました。そのあと講師の先生の見本と解説がありました。
こういう場合ほとんどは姑と嫁の言い合いとなってしまいますが、傾聴は受容と共感、認知症者の言うことを否定したり、説得したり、説教したりすると病状が進行するばかりだと言うのです。
じゃ、どうしたらいいのか、「そうよね。お金が見つからないと困るよね。不安だよね。」と共感するところから初めて「いつも決まった場所に財布をおいておくのね。しっかり管理しているの偉い。私なんか年中どこかに置き忘れて探すのね」と持ち上げます。
さらにこういう妄想を持つ人は経済的自立度の高い人なんです。そこを指摘して「ご主人と一生懸命働いて財を築いて来たのよね。その間にいろいろと苦労があったでしょう。」と苦労話を聞き出します。それを語り出してくれたら成功です。相づちを打ちながらめいっぱい共感するのです。
そして認知症者が楽しくて豊かな気持ちの時を過ごすことができるように傾聴していきます。

このほかにも
「実家の帰ると突然言い出して徘徊しようとするケース」
「ご飯を食べさせてくれない」というケース
「施設の職員の教育がなっていないと不満をぶつけて来るケース」
などなどのロールプレイを行いました。認知症者をやり切るのが難しかったですね。

これをしていて考えたことがありました。
実はものとられ妄想は統合失調にもあります。認知症はわすれてしまうのですが、統合失調では忘れずに累積していきます。ここがとても厄介なところなのです。これを巡って何度言い合いや喧嘩をしたことか、そしてそのたびに病状が悪化して行くのでした。
もう一つは学校でのことです。教員は傾聴がまったくできないのですね。たとえば成績不信の生徒と面談するとき、多くの場合このままで行くと単位を落とすと恫喝することしかできていないのです。生徒は成績が悪いことでとても苦しんでいるのです。だからその気持ちにより沿い共感することから始めます。教員のための傾聴講座が必要だと思った次第です。