いよさんの「いってこ」と「もーちょいねる」

母のいよさん、92歳。私は母のベッドの横に布団を引いて寝ている。
その母がいつも4時~7時ころにトイレに起きる。おおいときは2回起きる。
私もほとんど目がさめる。
「トイレはどこ? あっち?」
「そうだよ、あっちのほう。電気がついている廊下の先の方」と指をさす。
いよさんは自分の家のトイレもわからないことがある。
「大、だしてくんですよ」
「だいはでな〜い。おしっこだけです。じゃ、トイレにいってこ」とよたよたとトイレにむかう。
「いってらっしゃ〜い」
「いってきま〜す」
家のトイレは自分だけでいける。
トイレから帰ってくる。
「寝るとこはどこ?」
「こっちのベッドですよ。私の布団でもいいですよ」と布団を持ち上げていう。
「いいよう。せまいもん。ベッドにねま〜す。今、何時? 何時に起きるの?」
「今、6時半。おきるのは7時だからあと30分寝られるよ。それともちょっと早いけれど起きる?」
「いいよ、もうチョイねる」
「いいね〜。その『もうチョイねる』ていうの。『もうチョイねるのおいよ』だね。また新しい名前ができたよ」
「いいよ〜。いい名前じゃないよう。やだよ〜。」
「いいよ〜。やだよ〜。いったいどっちなの。」
「やだよ〜。」
「あまり『やだ。やだ』っていうと、『つちやいよ』さんじゃなくて『つちややだよ』さんにしちゃうよ。」
「やだよ〜。では、もうちょいねるか」
とまあ、こんなぐあいの朝のいよさんとの会話である。
いよさんの言葉のやりとりをいつも楽しんでいる。「いってこ」とか「もうちょいねる」とかのことばの感覚がとても楽しいのである。

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