「退室前の魔法の言葉」が通じるのは病院だけではない

1月11日の毎日新聞の記事にもう一つの「魔法の言葉」を紹介していた。「診察室のワルツ−16−」というシリーズの医療コミュニケーション研究者の岡本佐和子さんの記事である。

今回は、新年からでもすぐにでも病院で試していただきたい「魔法の言葉」を紹介したいと思います。掃除や事務の担当者から病院長まで、病院の誰でもが病室での用事が終わって退室するとき「他に私ができることはありますか?」と、患者に声をかけてみてください。
「メガネが遠くて手が届かないけれど、そんなことでナースコールはできない」「布団の裾を直してほしい」「点滴の針がちょっと痛い」小さなことですが、言わないで我慢する患者には、大きなストレスになります。フラストレーションがたまると、攻撃的な言動にもつながります。
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治療とは別に、医療者からのあいさつや日常的な声かけは、病気と、それに抱えた生活に大きな不安をもつ患者には、このうえない助けや安心につながります。医療者に話しかけにくいと感じている患者に「話すこと」を期待するより、医療者から「何かお手伝いできますか?」と言葉をかけることで患者も話しやすくなります。
 米国のある病院では、医師や看護師をはじめ、職員全体が「他に何か今できることは?」と退室前に声をかけるようになってから、患者の転落・転倒やナースコールの数が激減したと言います。また、職員から声をかけるようになって、患者が気持ちをため込むことが少なくなったようで、感情むきだしの苦情も減ったそうです。

 なるほど「他に私が今できることはありますか?」が病室の「魔法の言葉」なのですね。とても納得します。こういわれると、確かにちょっと頼みにくいことも気軽に頼みやすくなります。これってとても大切なことなのですね。遠慮してなにもいわないことで、ストレスをためたり、知らず知らずのうちにいらだちを強めたり、何もしてくれないという気持ちを募らせたりしやすいものです。

 ところで、これって、病院以外で、たとえば教育現場でも、けっこうつかえる「魔法の言葉」なんだと思います。何か困っていそうな状態にある人、問題を抱えている人、自分に重荷となっていることを抱えている人にとって、とくにとても頼みにくいような場合には、この言葉はやはり「魔法の言葉」でしょう。
 日本語で「何かしてほしいことがありますか?」「何かしてもらいたいことがありますか?」こういう表現だとちょっと恩着せがましくなったり「上から目線」になってしまうけれど「何か私にできることがありますか?」というと同じ目線にあります。
 そういえば、英語ではこういう表現はよく使いますね。
 What can I be of assistance to you?
What can I do for you now?

この魔法の言葉、これからもちょっと意識していろいろな場で使ってみようと思います。

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