「幸せな未来は『ゲーム』がつくる」を読める幸せ

おそらく今年読んだ本の中で最もおもしろい本だったと思っている。
「幸せな未来は『ゲーム』が創る」(ジェイン・マクゴニガル著 妹尾堅一郎監修 早川書房 2011年刊)である。
原題は「Realityu is Broken ~Why Game Make Us Better and How They Can Change the World」(Jane McGonigai)である。
いま「ゲーミフィケーション」が注目されているが、この本はそれらの本以上に哲学があり、世界観があり、倫理がある。

近年、世界のオンラインゲーマーのコミュニティは数億人に達し、莫大な時間と労力がヴァーチャルな世界で費やされている。これは現実に不満を持つ人々による「大脱出」にほかならない。 なぜ人々は「ゲーム」に惹かれるのか? それは現実があまりに不完全なせいだ。現実においては、ルールやゴールがわかりづらく、成功への希望は膨らまず、人々のやる気はますますそがれていく。 そんな現実を修復すべく、ゲームデザイナーの著者は、「ゲーム」のポジティブな利用と最先端ゲームデザイン技術の現実への応用を説く。コミュニケーション、教育、政治、環境破壊、資源枯渇などの諸問題は、「ゲーム」の手法で解決できるのだ。 世界最高のイノベーターと評されるゲーム界のカリスマによる刺激的社会改革論。

この本の表紙に書かれている紹介はうそではない。
第一部でまず、ゲームが開く「幸せ」の特徴を挙げる。

それは自発的であり、内発的であり、現実世界が満たせないでいる人間の真のニーズを満たしている。ゲームは現実がもたらさない報酬を人びとに提供し、現実ができない形で教え、示唆を与え、夢中にさせ、協力へと導く。

そして第2部で、ゲームはヴァーチャルな世界だけでなく、現実の中でゲームをすることへと導く。ARG(Alternative Reality Game 代替現実ゲーム)は部屋に閉じこもってゲームの世界にはまり込む若者たちを現実の世界へと連れ出そうとする。現実世界の中でゲームをすることへと引きずり込む。

第3部では、それで世界を変えようとするゲームを紹介する。ゲームの手法をもって、現実を変えようとするそんなゲームがたくさん紹介されている。

特に第一部であがかれている「幸福論」は、どんな哲学や倫理学の本に書かれている「幸福論」よりもわかりやすく、実感をもって迫ってくる。

詳しくは「その2」「その3」と少しずつ紹介していくことにしよう。

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